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藍民芸館

ベロ藍 大皿 菊花紋

2009年10月号

月刊「藍民芸館」

 明治期の庶民のやきものといったらベロ藍しかないと言えるほど大流行したやきものです。 幕末にドイツから入ってきたベルリン藍という化学染料を使った、それまでにない深い藍色のやきものは、瞬く間に日本中を埋め尽くすほど大流行しました。べロ藍とは、ベルリン藍(ベロリン藍)がつまって呼ばれたそうです。

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残念なことに、日常使いのものなので、飽きたら廃棄されたり、浮世絵と同様に海外に流出したりで、昭和40年代にはめっきり少なくなりました。  

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また、古くからの陶磁愛好家の中には、この色の濃さが、けばけばしくうつり馴染めず、今でも安物と軽視される方も少なくありませんが、当館コレクター松田政秀はベロ藍にはベロ藍の良さがあると、その深い藍に魅せられ、収集に励みました。政秀が生前(昭和48年・12月)越後タイムス紙に寄せた文中からもその想いが伝わってきます。以下、抜粋。

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『モノが高くなったといわれても、ベロ藍なんか、いくらしましょうば。バカにしられているのです。珍しくなんかありません。昔…といっても、つい先ころまでは、柏崎の家庭の台所の隅に、いくつでもコロがっていたものです。バカにしられていてもいいのですが、わたしには、進取改新の気宇が横溢した明治大衆のものだったということで、粗末にはしたくない。愛着が強いんです。』

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また、政秀はベロ藍への想いを多くの歌に詠んでいます。終わりに、三首ご紹介します。

 

深藍の奥処にひそむ魔神いて藍こんこんと吐き続くなり

 

   友来れば酒つぎみたす親しさよ蛸唐草のベロ藍の猪口

 

   国興る時に栄えしベロ藍が国破る時さげすさまるる