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藍民芸館

明治ベロ藍のそば猪口

2009年11月号

月刊「藍民芸館」

  当館の収蔵品の中で、最も数多くあるものがそば猪口です。江戸時代の伊万里の染付が多くありますが、今回は先月に引き続き明治ベロ藍のものをご紹介いたします。

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40年程前(昭和46年)、当館コレクター松田政秀はそば猪口の収集では、日本で三本の指に入ると、あるいは1番かもしれないと語っています。その収集のきっかけは、戦前に会津本郷窯のそば猪口を知人から頂いたことからです。

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安定感があり素朴で美しく、番茶の茶碗に丁度よく、使うほどに愛着がわいたようです。寺の住職である政秀は、それを寺で使う為、10個くらいあっても用が足らない、100個以上は必要と、当時はとても安価でしたので見つけ次第買って使っていました。その中で気にいったものはとっておき、次第に意識的に収集をはじめ、これだけの数になりました。

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明治ベロ藍は、深く澄んだ色と、庶民の需要に応え安く大量に速く作られなくてはならない為に、絵付けは簡略素朴勢いのあるものとなり、それも魅力となっています。

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またベロ藍には、印判のものがあります。明治の一時期盛んに作られたものです。判は肉筆のものとは異なった面白さ、味わいがあります。政秀は、印判ものを安物と軽視せず、印判でなければ出来ぬ第二次元の世界、脂の抜けた、脱臭の美に着目して観て頂きたいと語っていました。

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当館コレクターは、番茶碗として用いましたが、本来は勿論そばのつけ汁を入れる器です。カタチが猪の口に似ていることから猪口と名づけられたそうです。