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藍民芸館

高砂絵 松に鶴亀 丸に抱き茗荷紋 」膳掛 筒描木綿

2010年4月号

月刊「藍民芸館」

 先回 お話させて頂いたように、膳掛には縁起の良い吉祥模様が施されています。身近に幸運を呼ぶものを置いておきたい のは、今も昔も変わらないものです。

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この膳掛に施された模様は『高砂』という夫婦円満、健康長寿、無病息災の幸せをもたらすといわれたもので、結婚の祝い、還暦の祝いに使われました。

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謡曲『高砂』は結婚披露宴の定番で 『高砂や〜 この浦舟に〜 帆を上げて〜』と お聞きになった方も多いと思います。 その『高砂』とは、世阿弥の作・初番目物・夢幻能です。相生の松によせて夫婦愛と長寿を祝うお目出度い能です。

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物語のあらすじをご紹介いたします。

九州阿蘇宮の神官が播磨の国、高砂の浦にやってきた。春風が吹くのどかな浦には松が美しい。遠く鐘の音も聞こえる。そこに老夫婦が来て、木陰を掃き清める。老人は古今集の序を引用して、高砂の松と住吉の松とは相生(二本以上の木が同じ根から生え出ていること)の松、離れていても夫婦であるとの伝説を説き、松の永遠、夫婦相(あい)老(おい)(相生(あいおい)にかけ)の仲睦まじさを述べる。

命あるものは全て、いや自然の全ては和歌の道に心を寄せるという。老夫婦は自分達は高砂・住吉の松の精であることを打ち明け、小船に乗り追い風をはらんで消えていく。神官もまた満潮に乗って舟を出し(ここで謡曲 高砂や〜 となる)松の精を追って住吉に巡り着く。

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