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藍民芸館

キルクしめ

2015年7月号

 

 

         

  

月刊「藍民芸館」

開館20周年を迎え 夏季展は『天邪鬼なコレクター・松田政秀の目 藍民芸館コレクション』

と題し、コレクター松田政秀の足跡・膨大なコレクションを収集した思いなどを

自身の歌や絵を交えながらご覧いただきたく企画いたしました。

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『キルクしめ』は昭和54年夏に開催された

『失われゆく庶民々具展』に合わせ柏崎日報に掲載された

政秀自身の書いたものを原文のままご紹介いたします。

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                 『キルクしめ』 注 キルクとはコルクのこと

ビニールも合成ゴムもなかった時代、ガラス瓶の口は摩合わせかキルクしかなかった。その頃のこれはキルクを締める道具である。少し大きめの丸いキルクを、この圧縮機で締めて使用したもので、どこの薬種屋にも、お医者様にも、必ず薬局にはあったものであろうか。

鋳物のデザインが日本離れをしていて、洋風ではいからである。取っ手が狐の尻尾のようにピンと立って、上には洋風の唐草、小口には大から小に順々にギザ穴が並んで若い頃の銀エナメルが年老いた今もかすかに残っている。頑丈で飾って眺めても美しく、小ドアのノッカーにも使えるであろう。キルクなど使わない時代とはなったが、完全に役目をはたした安らぎと亡びぬ美はここにもあった。

 

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