京都市南部の伏見は、奈良時代以前から埴輪や土器を焼いていました。
伏見稲荷大社のある稲荷山の土を用いて、深草焼きとも呼ばれる土人形を
桃山時代のころから、作りはじめました。
瓦町という地域もあり、近代まで瓦を焼いていたので、
この職人さん達が余暇に人形を作りました。
伏見人形の教訓・説話物の代表的なものの一つに、
「饅頭喰い」があります。子どもが二つに割った饅頭を両手に持っている立像です。
ある時ある人に、「坊や、お父さんとお母さんどっちが好き」と問われた時、
子どもが持っていた饅頭を二つに割って、
「おじさん、右と左の饅頭のどちらがうまいか」と問い返しました。
◆ ◆ ◆
比べられない、愚問だということです。江戸時代後期から伝わる子どもが、
賢く育つようにというお守りあるいはまじないです。
羊羹を二つに割った「羊羹喰い」というのもあります。
※ 2012年12月26日〜2013年2月28日まで資料整理のための冬期休館に伴い、
2013年1月号、2月号はお休みさせていただきますのでご了承下さい。
次号2013年3月号をお楽しみに!!