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黒船館

木版墨摺 日本越後国柏崎黒船館

2007年11月号

月刊「黒船館」

川上 澄生(1955年)作

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吉田正太郎が版画家川上澄生の名前を知ったのは、『詩と版画』第5輯(大正13年刊)に発表された「横浜風景」であったといわれている。

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その後、ますます川上作品に魅せられた正太郎は、版画荘から『ゑげれすいろは人物』(昭和10年刊)が刊行されると、矢も盾もたまらず、版元に作者の住所を聞き、「私にも何か作っていただけませんか」と、一面識もない人に厚かましく一本のお願いのお手紙を差し上げた。これを機縁に、爾来、三十余年、版画・肉筆・革絵・焼絵・泥絵・硝子絵・絵本・木彫・陶器に至るまで数多くの作品が届けられ、現在の当館の代表的コレクションとなった。

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大版墨摺りの木版画「日本越後国柏崎黒船館」の図は、かくあればとよかれと創作された架空の黒船館である。二艘の外輪船(黒船)が浮かび、松や竹・柳なとの木々、散歩する人々の姿、時計台を備えた煉瓦造りの二階建ての洋館、みんな川上澄生好みの明治調の風景である。

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この絵を見て、柏崎に来てしまった人がいたという話もあるが、このような建物は残念にも現在の柏崎市青海川の柏崎コレクションビレッジにはない。

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平成4年(1992)9月に開館した鹿沼市立川上澄生美術館は、この図をヒントに建築されたといわれている。