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黒船館

高札 御触書 慶応4戊辰正月 官軍執事

2009年3月号

月刊「黒船館」

   慶応3年10月、将軍徳川慶喜の大政奉還により薩長藩による倒幕は挫折し、再び12月、王政復古の大号令が発せられます。早速、新政府樹立の動きが活発化します。

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 この頃、江戸では薩摩屋敷襲撃事件が起き、これを知った大阪城の旧幕府軍と桑名・会津藩の兵は決起し、京都の武力倒幕派を一掃へと動きます。慶喜は、これを抑えようとしましたが失敗し、これが明治元年1月、鳥羽伏見の戦いとなり薩長中心の新政府軍(官軍)が勝利しました。慶喜は家臣に内緒で大阪城を脱出、東征軍(官軍)の江戸への進撃が始まりました。

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 今回の高札は、錦の御旗の下、王政復古を掲げて倒幕に進撃する官軍の「御触書」です。前半では「慶喜の謀反は明白、終始朝廷を欺き、大逆無道、其の罪は遁れられない」「賊徒を誅戮し、萬民の塗炭之苦を救うため」と倒幕の大義名分を述べ、仁和寺宮を征討将軍とする東征軍に忠義を尽くす者は、色々の状況下にあった者でも寛大な心を持って採用するというものです。その頃、江戸に戻った慶喜は、朝廷の新政府に恭順の意を公言し、謹慎生活に入っていました。

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 この辺の状況はNHKテレビ「篤姫」の中でもみられたところですが、吉田正太郎は、「越後タイムス」(昭和8年1月1日刊)紙上で「何と愉快な一札ではないか。若し、維新史の味に通ずる者こうしたものを見たとしたら、其の一行々々に盛られた言外の状景にどれ丈の興味を覚えるだろう」と述べています。