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黒船館

アルファベット屏風 川上澄生作

2008年4月号

月刊「黒船館」

 

今年は日米修好条約を締結して150周年になります。これを記念し春の特別展「版画家川上澄生のヨコハマ」展を3月1日から5月6日まで開催します。月刊黒船館もこれにちなんで川上澄生作品を紹介します。

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アルファベット屏風は、昭和13年にいただいたものです。高さ72cm横21cmの板4枚に、AからZまで絵とその英語名を油絵の具で描いた屏風仕立ての作品です。

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は、蟻・本・ランプ・オーバーコート・舟というように身近な品物が取り上げられ、楽しみながら英単語の勉強ができます。英語教師であった川上澄生でなければできないような作品であり、明治調の雰囲気を漂わせ、誠実な川上澄生の人間性をも感じさせます。

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実は、この年の4月1日、44歳の川上澄生は、北海道出身32歳の小坂千代と結婚。彼の自伝といわれる『履歴書』には「昭和13年4月1日紆余曲折を経て妻をめとる」とあり、それまでの4畳半と3畳の家「朴花居」に、台所をつけて新生活を始めています。

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川上作品の原点には、家族があるといわれています。この年に製作された「明治写真館」の女性は母小繁であるといわれています。

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アルファベット屏風にも、彼の夢に描いたほのぼのとした家族の団欒が感じられ、また、新しい出発の覚悟のようなものが見受けられます。屏風の右下には、鏡の中に帽子をかぶり、眼鏡をかけた自画像が見出せます。