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黒船館

かわら版 船大将欽差大臣提督海軍統師 まっちうせぺるり (ふなだいしょうきんさだいじんていとくかいぐんとうし)  

2008年11月号

月刊「黒船館」

 

  前にも書いたかも知れないが、吉田正太郎がペリーものの蒐集をはじめたのは、慶応の普通部(中学校)2年生頃ではないかといわれている。もともとは長崎絵を買いたかったが、田舎書生であれば、高価でとても手が届く品物ではなかった。

                                ◆ ◆ ◆

  いつ、どこで手にいれたかはわからないが、最初に手にしたのがかわら版、当時はまさに安価、誰もが見向きもしない代物であったという。しかも、蒐集したかわら版のペリーの顔、同一人物にもかかわらず違っているではないか。

◆ ◆ ◆

  疑問はいっそう蒐集を募らせたというのである。田舎少年、集ったかわら版をていねいに延ばしていたという話もある。本当か嘘かは別にして、吉田正太郎が、一生ペリーもの、文明開化ものにこだわっていた執念のようなものがわかる。

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  このかわら版は、絵画情報と文字情報を備えた典型的なかわら版である。これほど多くの肩書きをつけたペリー像もない。顔にひげがないのはよいが、説明は振るっていて、「面体色白く、鼻高くして、鼻ひたいよりとおり、眼白めがちにして、ひとみ薄赤く、まゆ毛あかし、歯こまやかにして牙あり。耳大きく、髪の毛薄赤く、白毛まじり、うずをまく。手足あたかも日本の鳥の如く、爪長し」とある。

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 当時は、もっぱら、ペリーの顔はあから顔で鼻が高く、ひげを生やし、手足の爪は長いという評判であったという。よく見るとペリーの手は動物の手のようであり、爪は長く描かれている。まことに珍しいかわら版だと思う。