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黒船館

東京今春芸妓於柳(おりゅう) 
明治15年 石版筆彩 画工浅間利恵子

2008年12月号

月刊「黒船館」

   当館所蔵品中に、明治10年から25年くらいまでもっとも隆盛した石版画の蒐集があります。実は吉田正太郎の実弟小五郎の蒐集によるものです。田舎者が東京に出て土産に買ってきた貴顕・名妓・貴族・名所旧跡といった類の安物の摺り物です。これらは額に入れて飾っていたので額絵ともいいますが、なかなか美しく、職人の技のすばらしさを感じさせる代物です。

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  今回は額絵中で一番多く描かれた名妓の中から芸妓於柳の絵を選びました。中央に小女を連れた於柳が横向きに大きく配置され、中ほどには当時流行した洋傘をさした客の乗る人力車、洋館、鉄道馬車などが配され、遠くには雲の湧く大空が描かれています。

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美人画で有名な亀井至一の経営する至誠堂からの出版ですが、洋画を学んだ師亀井至一の影響を感じさせ、背景の建物や人物など優れた描写力があるといわれています。  

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浅間利恵子(1863〜1945)は、江戸浅草、薬種商の家に生まれ、明治6年から亀井至一・竹二郎兄弟に師事。明治15年から亀井至一または自らで出版に携わり、翌年、日本画に転向して、松本楓湖に学び、「錦楓」と号しました。 

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明治18年、狩野芳崖に、その後、橋本雅邦につき、明治20年には前田学と結婚し、前田錦楓と号して活躍、各種展覧会に出品受賞し、晩年まで絵筆を離さなかったといわれています。