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黒船館

川上澄生に贈った 「黒船館出品目録」

2009年7月号

月刊「黒船館」

 

  横浜開港150周年で賑わう横浜の「そごう美術館」で5月9日から6月7日まで「文明開化を描いた版画家川上澄生」展が開催され、当館所蔵の作品も鹿沼市立川上澄生美術館や日本民藝館などの所蔵品とともに出品されました。

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 先日はこの展覧会に出掛け、時間を忘れて楽しいひと時を過ごすことができました。帰館後、同展目録中の森谷美保氏の黒船館主吉田正太郎にあてた書簡に関してのご労作を興味深く拝見しました。出来なかった仕事をして頂き、茲に改めて感謝の意を表します。

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  実はその論文を読みながら、昭和10年、初めて川上澄生からの書簡中に見られる吉田正太郎が贈った「黒船館出品目録」とはどんな目録だったのだろうと思いました。

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  その頃の吉田正太郎の収集品展覧会目録といえば、大正15年10月、越後タイムス社主催「黒船館文庫展覧会」と昭和9年11月、刈羽郡教育会主催「皇太子殿下御降誕記念教育品展覧会」のものです。そのどちらかでしょうが、出品はいずれも文明開化資料といわれるもので、特徴的なのは後者に初めて「彼理(ぺるり)文庫」のかわら版が130点近く掲載されていることです。 これら目録の序文から蒐集の動機や視点、興味の所在などがうかがわれ、出品は文明開化についての問題提起と書かれています。

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川上澄生に贈った「黒船館出品目録」は、単に自分の収集品の紹介だけではなかったように思います。あるいは、まだ会ったこともない川上澄生に、吉田正太郎自身の思いや考えを伝えたかったのではないでしょうか。