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黒船館

子どものおもちゃ 「紙の鉄砲」

2009年9月号

月刊「黒船館」

 

 幕末ペリー艦隊が江戸湾に来航した頃、黒船やアメリカ人、献上品などを描いたかわら版や錦絵がたくさん出ました。それこそ虚実入り乱れ、庶民の興味をそそるような異国の風物をはじめ、当時の世相を風刺したもの、人々の気持ちを伝えたものなどさまざまでした。

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  「紙の鉄砲」は、お台場に備え付けた大砲から江戸湾に現れた黒船を攻撃し撃退しようという工夫を凝らした子どもの遊び道具です。

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  つまり、大砲の筒先に線香で火をつけると、塗布した火薬を伝って黒船に至り、命中し撃破するという花火仕掛けのおもちゃです。子どもの遊びにしては火遊びですから危険です。

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 従って「紙の鉄砲」は、まもなく発売禁止になったといいます。この花火仕掛けのおもちゃ、よくよく考えてみれば、使ってしまえば棄てられるものです。その上、世に出てからまもなくして発禁になったといえば、今、目の当たりに見ることができるのは、まことに珍しいことではないかと思います。

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また、この小さな子どもの遊び道具ですが、当時の庶民の心情の中に尊皇攘夷の気分が漂い、十分それに浸っていたことを知ることができます。「紙の鉄砲」は、貴重な資料と思っています。