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黒船館

「晴子像」 油絵 椿貞雄作

2010年9月号

月刊「黒船館」

  9月18日より、秋の特別展「黒船館逸品展」を開催します。普段あまり展示公開していない吉田正太郎や吉田小五郎両氏の所蔵品を鑑賞していただこうと思っています。実はその一つが椿貞雄の絵です。  

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  吉田小五郎は、慶応の幼稚舎(小学校)を退職し、故郷柏崎に帰られてから、地元地方紙「越後タイムス」に「柏崎だより」と題して随筆を掲載されておられました。

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 その中に「懐しい人ー椿貞雄氏ー」という一文があります。「柏崎だより」掲載の一文は、実に小五郎先生の面目躍如たる随筆で小生も毎週待つようにして愛読していました。

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「懐しい人」によると、それは先生が慶応を卒業し、幼稚舎の先生になる4,5年前のことだったそうです。大正末、慶応の幼稚舎で岸田劉生の推薦で図画の先生を三人採用することになり、その一人が椿貞雄であったのです。

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長い間、親しく交際を続けられた先生は、椿氏は真面目な人柄で、年がら年中絵のことばかり考え、倦むことなく研究を続ける方で、普通の絵描きさんとは違う人であったと述べられています。

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椿貞雄は岸田劉生の高弟で唯一の弟子といわれています。対象の冬瓜が腐るほど追求し、写実を極めたという椿貞雄の絵は、岸田劉生とそっくりで、「晴子像」も岸田劉生の絵かと思わせ、題名をうっかり「麗子像」と間違っていうほどです。「晴子像」とともに「冬瓜」も展示します。