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黒船館

佐久間象山の麻倔涅篤器
(さくましょうざんのマグネトキ)

2010年10月号

月刊「黒船館」

  佐久間象山といえば信州松代藩士、幕末の兵学者であり、蘭学や砲術に通じ、江戸神田で塾を開くなどし、門人には、勝海舟や吉田松陰らをはじめ、幕末の風雲児坂本龍馬も砲術を学んでいます。

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幕末、柏崎大久保で大砲の鋳造が行われた頃があります。このときには、佐久間象山の教えを受けたといわれています。

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  ところで、麻倔涅篤器の一件です。幸い箱の裏に、吉田正太郎によって、入手の経緯が書いてあります。

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万延元年(1860)頃、勝田加一(元越後タイムス社主幹)の母方の叔父野澤救之輔が幼時右手の自由を失い、両親、それを大いに嘆き、当時有名であった佐久間象山の診察を受けさせたところ、このマッサージ器を推薦し、処方箋をつけて与えたというのです。

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つまり、佐久間象山によって野澤家に伝えられていた電気治療器は処方箋とともに、勝田の仲介により吉田正太郎の手に入ったと考えられます。

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この治療器、不勉強で、今のところ使い方がよくわかりません。しかし、こんな珍しい品物、恐らく執念で入手したものと思いますが、入手時の吉田正太郎の喜びようは想像しても余りあるところです。文明開化を証拠付けるこの珍品は、中央の展覧会などにも出品されたことがあります。