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黒船館

「 絵本 時計 」

2011年11月号

 

                   

月刊「黒船館」

川上澄生は、『履歴書』(昭和44年刊 吾八)の中に「昭和19年秋、村の駐在のお巡りさんが来て心配そうに「先生、特高で明日来てくれというのだが」と言った。何だかわからないが県庁内の特高に行った。」と書いています。   

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実は太平洋戦争が終わる頃、『時計』という豪華本を刊行、それを見た検閲係Aが、「熾烈きわまる戦時下にこんな豪華本を出す川上澄生とはどんな人物かと・・・」出頭を願ったという出来事です。

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その頃、警察の特高係に呼び出されることは、国家の反逆者として刻印を押されかねない大変なことでした。しかし、先生、もとよりそのようなことは身に覚えのないこと。飄然として栃木県庁二階特高課に出頭。

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そこで偶然最初に出会ったのが、特高課外事係長をしていた昔の教え子G、久しぶりのこととて丁重に先生をねぎらいました。それを見たA、先生から大したことを聴取することなく、お引取りを願ったという一件です。

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太平洋戦争は日に日に激しさを増し、暮らしは一層苦しくなってきた頃ですので仕方のないことであったのか知りませんが、本の出版は一時止められ、昭和20年になって刊行されました。

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